コンセプト

コンセプト

station~イランカラプテでは、「言葉の大切さ」・「繋がり方の大切さ」・「有償の大切さ」という3つの「大切さ」をコンセプト(理念)として掲げています。
これは、私の臨床感や、ここ数年感じてきた対人援助職の課題についてのアンサーに通じるものでもあります。

言葉の大切さ

私は、自分のことを「臨床家」という言葉で表現することを好んでいます。

臨床の辞書的な意味とは…病人の床のそばに行くこと。

Oxford Languagesの定義より

臨床とは、人の心に寄り添う、つまり人の人生観、死生観に寄り添うことだと、私は考えています。
だからこそ、言葉が大切になります。それは言語でも、非言語(態度、雰囲気、ジェスチャー、遊びなどその他の表現)でも同じことだと思っています。私たちは、一言、一つの態度でその方の人生を左右してしまうかもしれないのです。これはとても恐ろしいことですし、私が言葉の大切さを大事にしていきたいと思う所以です。

少し話は変わりますが…
私は、イランカラプテと名付けましたが、アイヌ語はロスト・ランゲージ(消滅危機言語)とされています。

世界には言語が6,000~7,000あると言われています。
このうち10日に1つの言語が消滅していると言われており、将来的には半分以上が消えてしまうのではないかと考えられています。

https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2020/04/0406.htmlより引用

興味があれば、リンクを参照してみてください。
日本ではアイヌ人にはアイヌ語、ハワイではハワイ語など、それぞれの民族に言葉がありました。
ただ、侵略や教育の形の変更の強制、そういった悲しい背景で、どんどん失われていってしまう言葉が世界にはたくさんあるのです。

さて、話を戻します。
そういったロスト・ランゲージに近しい言葉が「臨床家の言葉」だと、私は考えています。
分かりやすく言い換えれば、「臨床の知」と呼ばれているものです。

私たちは、言語でも非言語であっても、“伝えること”と“受けとること”を意識して仕事をしていますね。
その「臨床家の言葉」は口伝でなければ受け継がれていかないものだと感じています。
自分が受け継いできた言葉、経験のなかで身につけてきた言葉を、対人援助職の仲間と共有できれば幸いです。

繋がりの大切さ

私たちの世界では、スーパービジョン、個人分析、研修会などさまざまな勉強の機会があります。

ただ、その中では、はっきりとした上下関係があるように感じます。

たとえば…スーパービジョンであれば

バイザーが上で、バイジーが下というようなある種の師弟関係の構造。自分達の経験年数が上がれば上がるほど、「こんな基礎みたいなこと今更聞いていいんだろうか?」「自分の勉強不足を指摘されてしまうんじゃないだろうか」という思いが強くなるように感じます。

それは、お互いに専門家としてのプライドがあるからだとも思いますが…

「こんなこと聞いていいのかな?」「誰に教えてもらったらいいんだろう?」「そもそもどうやって聞けばいいことなんだろう?」感が生まれるのはなんだか別の問題のように思います。

経験年数だけで自分達の臨床感というのは、本当に優劣や上下がつくものなのでしょうか。

どうして、そういうものを取っ払った縦軸でも横軸でもない、第三の関係性として繋がりをつくれないのだろうかと非常に疑問です。

私は経験年数やライセンスに関係なく、お互いを1人の人間としてリスペクトし、話し合うことで何かが生まれると信じています。

上下関係がない、専門家同士の繋がりの大切さを感じてもらえるようなサービスの提供を目指します。

有償の大切さ

我々、対人援助職は常に誰かに気を使って、誰かの目を気にしている厄介な生き物です。

だからこそ、有償でのセルフケアの時間って大事だと強く感じています。

なぜ有償なのか?無償や、ピアサポート的な関わりのなかで、仲間を支援することもあります。ただ、それで良くはない時もあるんじゃないか?という疑問です。

臨床家として、心理職としてはスーパービジョンや教育分析(個人分析)あるいはコンサルテーションなどの個人的な研鑽が求められています。特に、教育分析(個人分析)はハードルが高いもののように感じます。私は修士2年の頃から受けていますが…それは必要を感じたからであって、みなさんがそこまでやる必要があるのかといった話は、賛否両論あるだろうと思います。

自分達は他者に相談しようっていう声かけをしますよね。でも、なかなか自分達は相談を、特に有償の相談を受けようとはしない。無償で話をするのとは違う、いわゆるカウンセリング体験をしている人はどれぐらいいるんだろうか?と疑問に思いました。

まずは自分達が有償で相談してみないことには、カウンセリングの良さや意味、価値って伝えにくくないんだろうかと思います。有償の大切さは、自分のための時間枠が確保される、安心感が担保される、守秘義務が徹底される(職業上の倫理規定が適用される)といった良さがあります。あとは、お金を払うことでモチベーションがあがるかもしれません。

お互いの守りのためにもサービスを始める上で、有償の大切さをコンセプトとして掲げたいと思った次第です。

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